木造住宅の断熱の定番といえば、高性能グラスウールの充填断熱。しかし、近年は夏の気温上昇で室外と室内の温度差が大きくなっており、“夏型結露”のリスクが高まっています。躯体は高温になるため、湿気の逃げ道がないと、内部結露が生じてしまいます。
こうしたリスクを避けられるのが可変透湿・気密シートです。冬は室内側から壁内に入ろうとする湿気を防ぎ、夏は壁内の湿気を室内に排出するというもの。その代表的な製品の1つだったのが「デュポン™ タイベック® スマート」(ポリエチレン不織布)。高温多湿な関東以西の地域で採用が広まっています。
ただし、湿度80%以上の条件下では透湿抵抗値の低下が緩やかで、湿気をうまく室内側に排出できない課題がありました。それを解決したのが新製品「VCLスマート® 」(ポリプロピレン不織布)です[※]。特殊な樹脂を配合することで、湿度80%以上の条件下でも透湿抵抗値が効果的に低下するため、湿気が躯体内に滞留することなく室内側に排出されます。
※ VCLとはVapor Control Layerの略。夏・冬の室外・室内の湿度をコントロールすることによって壁体内に存在する水蒸気を適切に排出する機能を有していることを表現する
加えて、従来品の「デュポン™ タイベック® スマート」が不透明であるのに対して、「VCLスマート® 」は半透明。シート裏面の状態を確認しながらシートを張り付けられます。軽量化にも成功。従来品に比べ約20%も軽くなっています。
さらに、透湿防水シートの代名詞「タイベック® ハウスラップ」も、夏を意識して全面的に刷新。2021年11月に廃版を発表し、遮熱効果の高いアルミニウムを蒸着した透湿防水遮熱シート「デュポン™ タイベック® シルバー」を標準品としました。夏は、アルミニウムが輻射熱を反射(赤外線反射率は約85%にも達する)。壁体内の温度上昇が抑制されるので、当然、“夏型結露”のリスクも小さいです。
「VCLスマート®」と「デュポン™ タイベック® シルバー」が、“季節を問わず快適で高耐久な”家づくりを可能にします。