「目を楽しませる仕組み」お洒落で落ち着くカフェ空間のつくりかた⑥

慌ただしい日常を離れて、ゆったりと時間を過ごせるカフェ。「カフェのような家に住んでみたい」という需要も高まっています。ここでは、うちカフェの第一人者「cafenoma」に究極のカフェ空間のつくりかたを徹底取材。そのポイントをまとめました。

はじめに

「コーヒーのある生活」をテーマに、空間プロデュース、コミュニケーションデザイン、オリジナルプロダクツ開発・販売、接客・サービスのノウハウ提供などを手掛ける、夫婦ユニットcafenoma(カフェノマ)。10万人を超すフォロワーがいる人気のインスタグラマーでもあり、主な著書として「最高の暮らしを楽しむ住まいのレシピ」(エクスナレッジ刊)があります。本書には、コーヒーのある暮らしとインテリアについての考え方がキャッチーなコピーと美しい写真・イラストとともにまとめられています。ここでは、そのエッセンスを3回に分けて紹介します。

 

 

4 カウンター越しの窓から生まれる非日常的な心地よさ

カフェに行く目的はさまざまです。日常を忘れほんの少し非現実な時間を楽しむことも、そのうちのひとつ。できるだけ現実に引き戻されるような生活感のあるものを目にしたくはないものです。カフェのカウンターでもその思いは同じ。通常は食器や調理器具類を置く戸棚などを設置することが多いですが、思い切って窓を設置し、視線の先にひろがる景色を楽しめるようにするのがおすすめ。バリスタが手際よく抽出する様子を側で感じながら、淹れたてのコーヒーの香りを間近で楽しんだり、その先にある中庭やコーヒーを楽しむ人々の様子が眺められるだけでも気分転換できます。

カウンター背後の景色は、一枚の絵画を眺めるような印象にできれば理想的。窓枠が額縁のようになり、カウンターに腰掛けた人の視線の先にひろがる風景をひとつの借景のようにして楽しめるように。加えて、カウンターに座ったとき、バリスタの背後にあるものはいろいろと目に付きやすいもの。雑多な印象を与えないようカウンター下に隠すなど、配慮する。目に入るものは、清潔感があり気持ちのよいものをセレクトしたい

 

5 朽ちていくことの美しさを楽しむ

ゆったりとリラックスできる空間づくりには、ほどよく“使い古された”ものをミックスすることがポイント。家具や食器をすべて真新しいものでそろえてしまうと、緊張感を与えてしまいます。新しいものをわざわざ買うのではなく、“古さが味わいになる”家具やインテリアを選び大事に使うことで、自然と優しい空間になります。ただし、すべてを古いもので揃えてしまうと野暮ったくなってしまいます。古いものとツヤのある新しいものをほどよくミックスさせ、お互いが引き立つようにするとよいでしょう。

無垢の木を使用したテーブルは、傷や擦れがいい味わいとなり、空間に柔らかな印象を与えてくれる

古さが味わいになるインテリアの一つとして、ドライフラワーがおすすめ。特にアジサイは種類が豊富でさまざまな色があるため、インテリアにぴったり。cafenomaは、富良野(北海道)のショップ「花七曜」の通販でまとめ買いをしているそう

ビンテージ家具の多い空間のなかを、すべてを古いものでそろえるのでなく、ほどよく“ツヤ”のあるスチール製の家具を取り入れると空間が引き締まる。写真では、素材感のある空間の中にUSMハラー製のストレージを置くことでシャープな印象とした

 

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