1.外壁、ウッドデッキをレッドシダーで統一
相模湾を望む丘の上に建つ平屋。レッドシダーを外壁の全面に縦張りしました。荒削りのラフ面を表にすることで、木目が均一でしっかりとしたレッドシダーの表情をデザインに生かしています。耐久性を上げるために、木肌を美しく見せるクリア塗装(オリンピックステイン)を採用。
また、軒の出は900㎜とし、外壁を雨から守ます。また、夏は日射を遮り、冬は日射を取り込むように計画しました。
ウッドデッキもレッドシダーで統一。奥行きは最大1,800㎜で広々としています。ベンチや一人掛けの椅子を置いて、本を読んだり、考え事をしたり、ゆっくりと過ごせる場所になりました。
127㎜幅のサネ加工したレッドシダーが整然と並ぶ外壁。
素材を統一することでデザインを整えるだけでなく、居住後に必要な建物のメンテナンスをわかりやすく、材料調達などをシンプルにすることも考慮しました。
2.外壁の一部にレッドシダーを張ってアクセントに
総2階のシンプルな形の家。南面に家の正面があるため、耐久性が高く、なおかつ家の顔にふさわしい美しい木材を検討しました。そこで選んだのが、木の部位のなかで高耐久な赤身の多いレッドシダーです。国産のスギは、赤身材だけでそろえるのはコストや流通の面で難しいことも理由です。
1階の壁面にシングル材のレッドシダーを乱張り。色味の違う木の表情と、日の当たり方によって変わる陰影がアクセントになっています。2階の壁面は黒の左官で仕上げ(ジュラクペンアート・ストーン)、レッドシダーの素材感をより引き立てました。
3. 加工しやすいレッドシダーで空中テラスを彩る
住宅が密集した市街地に建つ家。日当たりを確保するために、2階にリビングを置きました。リビング窓から出られる空中テラスは、視線を遮りながら光と風を通す木製のルーバーを採用しています。木材は、密度が低く軽量で加工しやすいレッドシダーを選びました。塗装はキシラデコールを塗布し、耐久性を上げています。
ルーバー材は長さ2,500㎜、幅25㎜ほどで、外から見たときに木のルーバーがベランダ床の存在を消す役割も担っています。また、ベランダ床からの高さは1,600㎜とし、人が立つとちょうど目線の高さくらいになります。
10㎡ほどのテラスは第2のリビングとして機能しています。2階のテラスを貫くように、大きなシマトネリコの木を植えました。木の周りには手すりもかねたレッドシダーのベンチを造作し、デザインを統一しました。
4. 5種類の木を使い分けてコントラストを楽しむ
約107坪の敷地にゆったりと建つ2階建ての家。外壁は縦張りの焼杉を基調にしながら、玄関扉にヒノキ、木製サッシ・戸袋にベイマツ、軒天にはレッドシダーをあしらいました。焼杉の黒と赤みをおびたそれぞれの木のコントラストが外観に彩りを与えます。
耐久性の高いヒノキとレッドシダーは無塗装ですが、ベイマツにはクリアの自然塗料(オスモカラー)を塗布することで、耐久性と美観をアップさせました。
レッドシダーは木目が日本のスギに似ていることから、ベイスギ(米杉)と呼ばれることがあり、スギとの相性も抜群です。
造園は荻野寿也さんの手によるものです。さまざまな木が調和し、林の中にいるような落ち着く空間になりました。
耐久性と美しさを兼ね備えたレッドシダー。木材をどのように使うのかで、住まいのイメージは大きく変わります。また、レッドシダーは加工がしやすいので、繊細なイメージからおおらかなデザインまで幅広く対応できます。
ぜひ、木の種類、木の使い方までこだわって外観のデザインを考えてみてください。
その他の美しい住まいの外観写真をチェック!
「建築知識ビルダーズ」では、美しい住まいの外観写真をInstagramで集めました。
投稿写真を見たい方は、ハッシュタグ検索で「#bコレ美しい住まいの外観」、レッドシダーを使った外観は「#bコレレッドシダー」 をフォローすれば、全国各地の素敵な外観事例をご覧いただけます。