木材を燃えにくくする
B(木材を燃えにくくする)とは、木材に対してホウ酸やリン酸などの難燃化が可能な薬剤を加圧注入して、木材を不燃化する方法です。不燃成分の働きによって、木材への着火を防止できます。この手法であれば、内装制限の対象部位であっても、木材を仕上げ材として自由に使用可能です。
ただし、不燃木材は割高であり、窓廻りなど湿気の多い場所では、薬剤が表面に表出して白い結晶となる白華現象が起きやすいのが悩みの種。結晶は簡単に除去できるものの、白華の度に、不燃性能が低下してしまうというリスクもはらみます。
「外装材としては、防水・防腐という耐久性にも問題があるため、表面を保護する塗装技術や、薬剤の改良という技術的な課題をクリアする必要があると考えています」(安井氏)。
木材を燃えにくい材料と組み合わせる
C(木材を燃えにくい材料と組み合わせる)とは、木材を石膏ボードや鉄、ガルバリウム鋼板などの不燃材料と組み合わせるという方法です。Bで紹介した不燃木材と同様に、内装仕上げ材として使用できる手法として代表的なのが、不燃材料である火山性ガラス質複層板「ダイライト」(大建工業)を下地として0.2㎜厚程度の突き板を表面に張るという方法。この場合、木材に着火防止・延焼防止を期待することはできませんが、下地で火炎の燃え拡がり・火炎の燃え抜けを防止できます。
Cについては、外壁・屋根・床などの部位ごとに、仕上げ材(木材)と不燃材料の下地を組み合わせる方法も紹介しておきましょう。国土交通大臣認定を取得した構造を採用するか、告示(建築基準法)の仕様を採用するかに大別されます。前者は性能規定である一方、後者は仕様規定であり、より安全な材料構成が定められています。一般的に、国土交通大臣認定を取得した構造は、告示の仕様に比べて、スリムなデザインが実現できるものの、コストは割高な傾向があります。
a:板張り準耐火構造/JBN・全国工務店協会
b:火バリ/岐阜県木材協同組合連合会
c:WOOD.ALC/日本WOOD.ALC協会
d:ZiG/タニタハウジングウェア
告示に関しては、国土交通省建築基準整備促進事業において、新たな技術が相次いで告示化されています。以前に比べて技術の選択肢がかなり幅広くなっているので、その動向には注目しておきましょう。
※ RC造(耐火建築物)の場合は、その用途に供する3階以上の部分の床面積が合計1,000㎡の場合、内装制限の対象となる[建築基準法施行令128条の4第1項1号]
つづく
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