建築 連載

「緑のインテリアと手描きパース」緑が豊かにする家と街並み③

古谷デザイン建築設計事務所は、植栽やランドスケープなどの〝緑〞を軸に据えた建築デザインを得意とする設計事務所。建物内部を含めて、作品のすべてに〝緑〞の要素が生かされているといっても過言ではありません。今回は、その代表作の1つでもある木造3階建て戸建住宅「インターバルハウス」を紹介します。

内と外の境界を曖昧にする室内の緑。

 「インターバルハウス」の間取りで特徴的なのは、建物の出隅にインナーテラスを設けていることです。結果として、光と風が建物の中に入り込み、視線の抜けも相まって、気分を開放的なものにしてくれます。もちろん、室内にも多種多様な緑を配置。シンプルなインテリアのアクセントとして効いています。ペット(犬)も気持ちよさそうに生活しています。

3階は寄棟屋根をかたどった勾配天井のLDK。外部床と内部床のレベルはフラットで、視線の抜けもよく、内と外の一体感が得られる。室内と室外の緑が空間全体に豊かさをもたらす

軒天井のRが建物のおおらかさを表現。室内では、柴犬(オス・10歳)が暖かな午後の日差しと色鮮やかな緑に包まれて気持ちよさそうに過ごす

1階はアトリエ。その一角には小上りの畳スペースが設けられている。畳表として採用されたのは、犬の爪に耐性のある和紙畳「健やかくん 清流 灰桜色」(大建工業)

 

すべては緑のプレゼンから始まる。

 「インターバルハウス」の設計を手がけた古谷デザイン建築設計事務所では、手描きパースによる緑のプレゼンテーションに力を入れています。リアルに描かれた街並みや緑、そこに集う人々の姿を眺めていると、建築を含めた空間や、街並み全体の魅力を手に取るように想像することができます。

 描き方の詳しいノウハウについては、発売→即重版→完売を繰り返し、驚異の第5刷を実現した建築知識2019年10月号』パースと背景画の最新技術)の第2段となる『建築知識2021年6月号』で明らかに。ここでは、少しだけ、手描きパースの描き方をご紹介します。

 

「インターバルハウス」「運ぶ家」「大森ロッヂ」を俯瞰した手描きパース。計画敷地の周辺環境をリアルに緻密に描いている。周辺環境は展望台や高いビルから写真を撮り、忠実に再現して絵にする。Googlemapを利用して、大まかな下書きをしてもよい

「インターバルハウス」を斜め方向から見た手描きパース。樹木や人物を実際のスケールよりも大きく描くことで、感情移入させやすくする。ただし、樹木を描きすぎると、建物の魅力が伝わりにくくなるので、ある程度バランスをとることが肝要。樹木の色(緑)はあまり重ね塗りしないほうがよい

古谷デザイン建築設計事務所が主催した樹木市「みどり市」のチラシ。モノクロでしっかりと描き込まれた手描きのイラストが、人の心を誘う

写真=水谷綾子

おわり

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