内と外の境界を曖昧にする室内の緑。
「インターバルハウス」の間取りで特徴的なのは、建物の出隅にインナーテラスを設けていることです。結果として、光と風が建物の中に入り込み、視線の抜けも相まって、気分を開放的なものにしてくれます。もちろん、室内にも多種多様な緑を配置。シンプルなインテリアのアクセントとして効いています。ペット(犬)も気持ちよさそうに生活しています。

1階はアトリエ。その一角には小上りの畳スペースが設けられている。畳表として採用されたのは、犬の爪に耐性のある和紙畳「健やかくん 清流 灰桜色」(大建工業)
すべては緑のプレゼンから始まる。
「インターバルハウス」の設計を手がけた古谷デザイン建築設計事務所では、手描きパースによる緑のプレゼンテーションに力を入れています。リアルに描かれた街並みや緑、そこに集う人々の姿を眺めていると、建築を含めた空間や、街並み全体の魅力を手に取るように想像することができます。
描き方の詳しいノウハウについては、発売→即重版→完売を繰り返し、驚異の第5刷を実現した『建築知識2019年10月号』(パースと背景画の最新技術)の第2段となる『建築知識2021年6月号』で明らかに。ここでは、少しだけ、手描きパースの描き方をご紹介します。

「インターバルハウス」「運ぶ家」「大森ロッヂ」を俯瞰した手描きパース。計画敷地の周辺環境をリアルに緻密に描いている。周辺環境は展望台や高いビルから写真を撮り、忠実に再現して絵にする。Googlemapを利用して、大まかな下書きをしてもよい

「インターバルハウス」を斜め方向から見た手描きパース。樹木や人物を実際のスケールよりも大きく描くことで、感情移入させやすくする。ただし、樹木を描きすぎると、建物の魅力が伝わりにくくなるので、ある程度バランスをとることが肝要。樹木の色(緑)はあまり重ね塗りしないほうがよい
写真=水谷綾子