設計のリモートワークに不可欠  CAD&CG対応のハードウェア

建築業界もリモートワークが浸透しています。仕事のクオリティを高めるには、PCやリモートアクセスシステム、VRなどのハードウェアを最新のものにしておきたいところ。こうしたデジタル技術のトータルソリューションに力を入れているのが日本HPです。主な製品・サービスについて紹介しましょう。

持ち運び可能なデスクトップPC

 リモート(クラウド)環境下で設計作業を行う機会が増えている昨今、CAD(BIM)やCGの編集作業が最適に行えるPC・ワークステーションは必要不可欠なアイテム[※1]。持ち運びを考慮すればノートPCが理想的でしょう。ただし、デスクトップPCでありながら、手軽に持ち運びできるものもあります。一般的に、デスクトップPCはノートPCよりも高速処理が行えるほか、排熱性能にも優れており、選択肢として十分でしょう。

 お薦めは「HP Z2 Mini G5 Workstation」。外形寸法は 216×216×58 ㎜と非常にコンパクト。総重量もわずか約2.18kgと軽量で、カバンに入れて持ち運べます。在宅勤務時に自宅へ持ち帰りやすく、出社勤務時に事務所に持ち戻すのも簡単。依頼主のもとに持参し、その場にあるモニターに接続してプレゼンするのも可能。“新しい働き方”に対応しています。最大通信速度9.6Gbpsの“Wi-Fi6”(第6世代)に対応する構成も選択できるので、自宅で作業する場合も、LANケーブルの配線などに煩わされることもありません。

コンパクトな「HP Z2 Mini G5 Workstation」。モニターの背面やデスクの下にも取り付け可能で、自宅で新たにリモートワーク用のスペースを確保するのにも重宝する

 フルカスタマイズモデルの場合、MPU(6コア/12スレッド以上)は「インテル Xeonプロセッサー」(Intel)、GPUは「NVIDIA Quadro T2000」(NVIDIA)を搭載可能。メモリは16GB以上、HDDは1TB以上であり、今後の普及が期待されるBIMなどの作業にも問題なく対応できます。日本HPによると、リモートワークが普及している大手の設計事務所で、数多く採用されているとのこと。近日中には、「NVIDIA Quadro RTX3000」(NVIDIA)搭載モデルの提供も開始される予定。よりリアルな3D-CGの制作が可能になります。

PCの選び方については、こちらの記事(3D設計・プレゼン時代の ハイエンドP C)も参考にしてください。

 

CADの遠隔操作がラクラク

 他方、リモート環境下で社内のPCに保存された設計データを編集するシーンも想定されます。これには、遠隔地からでも安全かつ高速に編集可能なネットワークシステムが必要となります。一般的にRDP(Remote Desktop Protocol)と呼ばれるものです。しかしながら、RDPでは、フレームレート[※2]が毎秒1fps程度しかなく、作業中に画面がフリーズしてしまうなど、パフォーマンスが著しく低下します。CAD(BIM)やCGを編集するために、出社が余儀なくされてしまうかもしれません。

 こうした問題を解決するのが「HP ZCentral Remote Boost」です。ワークステーション「HP Z Workstation」をセンダー[下図参照]とした環境に対応したリモートアクセスシステムで、画面のピクセルデータを1/170に圧縮・暗号化し転送します。フレームレートは60fps。リモート環境下でもオフィスにいるのと変わらない作業性を実現しています。

「HP ZCentral Remote Boost」のイメージ。レシーバー(ノートPC)から、センダー(「HP Z Workstation」)にアクセスし、外部から編集作業を行う。複数台のレシーバーからアクセスすることが可能。一方、編集権限は1台のみなので、権利を受け渡しながら作業を行う

 通信インフラも従来からの通信インフラで十分。5Gをはじめとする高速・大容量の通信インフラを使用する必要はありません。実データの転送は発生しないほか、通信が暗号化されているので、セキュリティは万全。秘匿性の高い設計データも漏洩しません。

 しかも、ライセンス費用は無料[※3]。レシーバー[上図参照]はWindow OS・Mac OSのPC・タブレットに対応しているので、汎用性も高いです。もともとはHPとNASAが共同開発した技術。月面探査で撮影した画像を効率よく地球に送信するノウハウをベースになっています。2003年に「HP Remote Graphics Software」としてリリースされており、実績も申し分ありません。

 

没入感の高いVRヘッドセット

 プレゼンでの需要が高まるVRについて、高性能なVRヘッドセット「HP Reverb G2 VR Headset」を紹介しましょう。ヘッドセットには4つのカメラが内蔵(従来は2つのカメラ)、2,160×2,160ピクセルという高解像度の画像上をスムーズに動き回れます。音質や操作性も抜群。設計の意図を正確に伝えられるに違いありません。

「HP Reverb G2 VR Headset」はValve CorporationMicrosoftの共同開発により生まれた。1眼辺りの画素数は9,300,000画素。一方、音響については、Valve製のスピーカーで高品質のオーディオ体験が可能なほか、耳から10㎜ほどずらしているので、より快適な装着感を実現した

 日本HPでは、ヘッドマウントディスプレイをVR対応PCに接続するPC・VRの方式を推奨している。CADからVRまでを1台でフルサポート可能な「HP ZBook Studio G7 Mobile Workstation」、VR専用として高いコストパフォーマンスを実現する「HP ZBook Create G7 Laptop PC」など、ラインアップは充実。もちろん、「HP Reverb G2 VR Headset」とセットでサポートを受けられます。

「HP ZBook Create G7 Laptop PC」。MPUには6コア/12スレッドの「インテル Core i7-10750H プロセッサー」、GPUには「NVIDIA GeForce RTX 2070」などを搭載。価格は226,000円からとコストパフォーマンスの高さが魅力

※1 ワークステーションとPCの違いは、3D-CAD(BIM)やCGなど専門性の高いアプリケーションの動作認定(ISV認定)を受けているかどうか。ワークステーションは、ISV認定を取得しているため、インストールしたアプリケーションの動作がアプリケーションベンダーから認定を受けていることが安心感につながるという
※2 単位時間当たりに処理させるフレーム“コマ”の数
※3 テクニカルサポートは別途契約が必要

こちらの記事もおすすめ

【PR】机だけじゃない!再発見、一枚板の魅力

動画 サービス 家具2020/07/10

日本では約50年前から「一枚板をテーブルとして使う」という世界的にも珍しい文化があります。1990年~2000年ごろに起こった“板ブーム”では、樹齢200年以上の希少価値の高い木々を、人間の勝手な都合で乱伐してきた歴史もあります。一時的なブームが終わり、不要になった一枚板が誰にも使われずに眠っているといいます。今回、一枚板のこれからの姿を編集部で追いました。

【PR】驚き! 羊毛からできた断熱材の効果とは?

動画 建材2020/09/08

自然素材の家をつくるのなら、見えない壁の中も人にやさしいものを使いたいと思いませんか? 今回は、自然派断熱材の中から羊毛断熱材「ウールブレス」をご紹介。優れた断熱性や調湿性などをなぜ持ち合わせているのか。ニュージーランドの羊毛でできた断熱材「ウールブレス」を扱うアイティエヌジャパンに取材しました。

ワイヤレス給電技術「AirPlug™ 」が建築界に登場。

2022/10/26

ワイヤレス給電技術を手がけるエイターリンクが、最大17mの長距離でも効率よく給電できる世界初の技術「AirPlug™」を実用化しました。「竹中工務店静岡営業所」では「AirPlug™」を採用。オフィスの温熱環境維持に貢献しています。ワイヤレス給電は建築の在り方を変える大きな可能性を秘めています。

【PR】「スタイロフォーム」の断熱性に防蟻機能を付与

建材2023/02/07

木造・S造・RC造という構造を問わず、さまざまな建築用途の断熱材として建築業界に広く知られる押出法ポリスチレンフォーム「スタイロフォーム」。製品ラインアップも幅広く、ユーザーの細やかなニーズに対応しています。光熱費の高騰が社会問題となる今、注目すべき2製品を紹介します。

[PR]見付のない美しい土台通気見切が登場

建材 サービス2024/05/28

キソパッキンの累計施工実績600万棟を超える業界髄一の実績をもつ城東テクノから、見付け幅(面)なしの意匠性に優れる「WM 防鼠付シャープ水切り」が発売されました。評判は上々。2月には「建築知識」と共同で製品見学会が実施され、2024年6月発売予定の「フチなし高気密型床下点検口 FUCHINE」もお披露目されています。

Pick up注目の記事

Top