”薄い“屋根をつくる断熱材
”薄い“屋根をつくる断熱材夏の暑さで知られる埼玉県川越市で建築中の「越屋根の家」は、サツマイモ農家のゆとりのある敷地を生かした木造2階建て戸建住宅。その名が示すとおり、軒とけらばの出が大きい越屋根の存在が象徴的な建物です。
1.大きな軒の越屋根が建物全体を包み、夏の日射を防ぐ
したがって「屋根をいかに美しく見せるか」がつくり手の腕の見せ所。設計を手がけた関本竜太氏(リオタデザイン)によると、その”見せ場“ は、「屋根を可能な限り薄く見せる」「屋根を支える小屋組を内装の要素として生かす」というデザインに集約されます。
2.軒先の水平性と重心の低さに感じる伝統の美
3.棟木のない登り梁と羽目板の木質天井
屋根を薄く見せるには、単純に屋根の懐を小さくする必要があります。ただし、小屋組を見せる場合には屋根断熱を行う必要があり、高水準の断熱性能を得ようとすると、断熱材の厚みで、屋根の懐は大きくなってしまいます。
しかも、屋根は太陽から放射される熱が外壁よりも多く侵入する部位。夏の猛暑を考慮すれば、遮熱対策も抜かりなく行いたいものです。
こうした課題を解決するために採用されたのが、ポリイソシアヌレートフォーム断熱材「サーマックスRW」(イノアック コーポレーション)です。熱伝導率0.020W/m・Kと高い断熱性能を発揮するとともに、表面のアルミクラフト紙面材が放射熱を跳ね返します。
4.屋根の外側から 「サーマックスRW」を隙間なく敷き詰める
5.120㎜厚の垂木内に納まる「サーマックスRW」
「木造住宅で一般的な、高性能グラスウールによる屋根断熱は、断熱層が分厚くなり垂木・母屋も2重に組む必要があるほか、遮熱シートを別張りする必要があるなど、デザイン・施工の面で難しい問題が生じます。『サーマックスRW』はこれらを解決する屋根断熱材の理想的な製品といえるでしょう。実際には、合計120㎜厚の『サーマックスRW』を垂木・母屋間に充填し、屋根の懐は小さく、棟から軒先までが1本の垂木というバランスがとれた構成で、私が理想とする屋根デザインを実現しています」(関本氏)。
「サーマックスRW」屋根断熱が夏の猛暑に遮熱効果を発揮
伝統的で魅力的な日本の木造建築は、例外なく屋根が美しい。ただし、現代では断熱性能・遮熱性能も求められます。高性能なデザイン住宅において美しい屋根を表現するために、「サーマックスRW」の力は欠かせません。
参考記事:「リオタの屋根」もご一読ください。
「越屋根の家」
設 計:リオタデザイン
施 工:堀尾建設
施工写真:平林克己