軽井沢の別荘暮らしは夏向き?
軽井沢は都心からのアクセスがよく避暑地として人気の別荘地ですが、標高が高いため冬は厳しく冷え込みます。省エネ地域区分だと、札幌市と同じ2地域に該当するほど。
それにも関わらず、別荘はデザインや間取りが重視され、断熱・気密性能は二の次ということがほとんどなのが現状。そのため、冬に軽井沢の別荘で過ごす人はとても少ないのです。仮に過ごそうとしても、暖房にかかるエネルギーが膨大なものとなり、光熱費もかさんでしまいます。また、「冬の間は使わないから」といって建物を放置しておけるわけではありません。軽井沢のような避暑地では凍結防止のために水抜きをしたり、定期的に暖房を入れたりしなければならないのです。
it‘s HOUSE ※ では、間取りやデザインのみならず、断熱・気密性能も重視した別荘づくりにこだわっています。オリジナルパネルを用いたパネル工法を採用して規格型とすることで、コストパフォーマンスの高い別荘を、気軽に手に入れることができます(詳しくはこちらの記事を参照)。
※株式会社LIVNEX HOUSEは2022 年2月23日より株式会社it’s HOUSEに社名を変更しました
真冬の軽井沢で検証!外気温-5℃で室内は暖かい?
UA値0.26の高断熱住宅が自慢のit’s HOUSEですが、氷点下10℃近い日が続くうえに、日照時間も短い条件下でも、その性能は発揮されるのでしょうか。そこで、東京大学大学院・前真之准教授が、実際にモデルハウスに宿泊し、その性能を検証しました。
前真之(まえ・まさゆき)
1998年東京大学工学部建築学科業。2003年同大学大学院博士課程修了。’04年建築研究所などを経て、東京大学大学院工学系研究科客員助教授に就任。’08年同建築学専攻准教授。空調・通風・給湯・自然光利用など幅広いテーマを研究し、真のエコハウスの姿を追い求めている
外気温-5.9℃でも、床暖房だけで家中暖か
〈2022年1月8日 21:00 外気温:-5.9℃〉
雪はないものの、真冬の軽井沢らしい気温となった検証1日目。坂倉建築研究所とコラボレーションしたモデルハウス「C-01」の暖房設備は主に床暖房ですが、高い断熱・気密性能のおかげで床暖房のみで空間全体が暖かく保たれていることが実証されました。なお、このモデルハウスは2階建て吹抜けと大開口がありますが、上下階の温度差はほとんどなく、建物全体が快適な温熱環境であることが分かりました。
「窓付近も冷えることなく温度が保たれていることがわかります。温度ムラができやすい吹抜けも、温度差はほとんどありません。寒さを感じることなくぐっすりと休むことができました」(前真之先生)
同じ頃、ほかの別荘では…
今回の検証では、およそ築30年の別荘(30㎡/平屋)にも取材スタッフが宿泊し、計測を行いました。
各部屋に石油ストーブが焚かれていましたが、ストーブの周囲だけが温まっており、それ以外の場所は真っ青に。特に、窓や玄関は黒色に近い青色(およそ5℃)になっていました。また、シングルガラス+アルミサッシで、断熱性能が低いためか窓には結露がびっしり。
「ストーブを消すと部屋の中でも白い息が出るほど冷え込み、ほとんど寝られませんでした。これだけ寒いと、わざわざ冬に軽井沢で過ごそうと思わないと思います」(取材スタッフ)
朝も輻射式冷暖房パネルで快適
〈2022年1月9日 8:00 外気温:1.9℃〉
朝も厳しい寒さとなりましたが、夜と変わらず快適な温度が保たれていることが分かりました。単身者向けのコンパクトなモデルハウス「L-01」の計測を行ったところ、輻射式冷暖房パネルで部屋全体が暖かく保たれていることが分かりました。
「輻射式冷暖房パネルは温度ムラができにくいと一般的にいわれていますが、サーモ画像を見るとパネル周辺が特に温まっているのが分かります。輻射式冷暖房パネルを設置するときには、空間のなかに分散配置するのがよいでしょう」(前真之先生)
高断熱・高気密化で別荘暮らしの可能性を広げる
2日間にわたった調査により、it’s HOUSEのモデルハウスは真冬の軽井沢でも暖かく快適な温度を保てる高性能住宅ということが分かりました。
建物が暖かければ冬の間も滞在でき、これまでよりも別荘で過ごせる時間が長くなります。暖房エネルギーの効率が向上するので暖房にかかる費用も削減可能。太陽光発電パネルを設置すれば、不在時に凍結防止のために暖房をつけっぱなしにしても、暖房費を部分的にカバーすることもできます。It’s HOUSEは、別荘暮らしの可能性を広げてくれるのです。