内外装に使える1 0 0 % 自然素材の“シラス”とは?
南九州の台地を覆うシラスは、マグマが岩石となる前に粉末となった高純度無機質セラミック物質です。主成分は珪酸(けいさん)。建築用内外装材の原料として、意匠性・機能性に優れています。
シラスは、調湿・除菌といった機能性があり、高千穂シラスは外装仕上げ材「スーパー白洲そとん壁W」や、内装仕上げ材「白洲漆喰」など、さまざまな製品をつくり出してきました。
「シラス壁」が発揮する調湿・除菌効果
サラリとした室内環境を年中保つ調湿効果
珪酸は除湿材の主原料であり、シラス自体が無数の穴の開いた多孔質材料でもあります。湿度が高くなると余分な湿気を吸収し、湿度が低くなるとシラス自体に含まれる水分を放出します。
夏は除湿によって体感温度を約2℃下げられるそうです。一方、冬は外気の湿度が低く、気温も低い。シラスには過乾燥の条件下では湿気を放出する機能があるので、湿度が下がりにくくなります。このように、「シラス壁」は室内環境を年中快適に保つ役割を果たします。
小さな子どもや高齢者のいる家でも安心の除菌効果
食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌や大腸菌の増殖を抑制する効果も実証されています。「シラス壁」に黄色ブドウ球菌を噴霧すると、菌の数は3時間後に約千分の1に減少します。
また、大腸菌に関しては1日で検出下限を下回るレベルにまで菌数が減少しました。
[最新情報!]シラス壁の抗ウイルス効果を実証
コロナウイルスに対する抗ウイルス性能の試験結果
同社の主力商品である内装仕上げ材「薩摩中霧島壁」と「白洲漆喰」によるコロナウイルスと細菌感染性ウイルスの不活化試験を、2020年7月より国立都城工業高等専門学校と共同研究を行いました。
結果は、いずれの壁材についても接触わずか10分でウイルス量を99.9%以上減少させました。このことから、インフルエンザなどを引き起こす細菌感染性ウイルスだけでなく、新型コロナウイルスに対しても同様の抗ウイルス効果を発揮すると想定されます。
実際に、「シラス壁を採用した保育園では、園児が1人もインフルエンザに感染しなかった」(高千穂シラス)という声が多数報告されています。
※1:新型コロナウイルス(SARS CoV2)と同じコロナウイルス科に分類され、類似した構造的特徴を持つウイルス(エンベロープ型)。ネココロナウイルスをシラス壁試験片に滴下し、接触時間ごとに表面を洗い流した液(=試験液)に含まれるウイルス量を測定した。
※2:細胞を培養したwell (穴)に、さまざまな濃度の希釈した試験液を添加し感染させる。細胞変性が確認された細胞( well )を感染細胞としてカウントし、50%の細胞を感染させるウイルス量を TCID 50 として定義する。
※3:一般に消毒薬等に対する耐性が高いとされるウイルスに分類される(ノンエンベロープ型)。そのためバクテリオファージQβ を用いる試験は、ウイルス全般への効果の指標となる。
高千穂シラスの商品紹介
高千穂シラスの「シラス壁」を使った内装仕上げ材
マグマ生まれの特殊な土・シラスと伝統の素材・漆喰の特性を兼ね備えた、100%自然素材の塗り壁「白洲漆喰」。優れた消臭・調湿・空気清浄機能を実現しつつ、洗練された優美な風合いを室内空間に演出します。
高千穂シラスの「シラス壁」を使った外壁仕上げ材
シラスの特性を生かした二層構造で雨水の浸入をシャットアウトしながら通気する外壁仕上げ材「スーパー白洲そとん壁W」。厳しい自然環境でも劣化しにくい高耐久性。建物の維持管理が軽減できます。
取材協力:高千穂シラス
テキスト:編集部
[お知らせ!]伊礼智さんとのコラボセミナーのご案内
6月16日(水)九州ホーム&ビルディングショーで建築家の伊礼智さん(伊礼智設計事務所)とコラボセミナーを開催します。伊礼さんの物件の多くに、高千穂シラスの「シラス壁」が使用されています。今回は、外観デザインについて講演いただきます。ぜひご視聴ください。
詳細はコチラ https://www.jma.or.jp/khs/visit/seminar/index.php