“木の建築”に精通し、『木の家に住もう。』や『世界で一番くわしい木材 最新版』の著者として知られる古川泰司さん(アトリエフルカワ一級建築設計事務所)。林業(製材)との密な連携を図り、国産材(JAS製材)を活用した非住宅の木造建築の設計をライフワークとしています。代表的な建物として、「わらしべの里共同保育所」は各方面から高い評価を得ています。
「わらしべの里共同保育所」に関する記事はこちらから。
こうした活動を踏まえ、古川さんは“木材コーディネート集団”として活動する森未来さんとの共同開催で、2022年6月より、林業と建築について議論する対話型セミナー「森と建築を一緒に考える」を全10回にわたって開催します。
森と建築の関係について、参加者とともに問題点を浮き彫りにして共有し、その解決策を少人数の対面形式で考えていくセミナーです。予備知識は一切必要ありません。森と建築をつなぐことに関心がある方であれば、どなたでもご参加いただけます。
プログラムは植林から製材・プレカット、木造建築の設計までを網羅。参加費は全10回・通し券25,000円(※お支払いは一括)。申し込み締め切り日は5月31日(火)。ご興味のある方は、こちらからお早目にお申し込みください。
【動画】JAS製材工場探訪。も公開‼
加えて、「建築知識2020年6月号」では、JAS構造材の利用拡大を図る、全国木材組合連合会さんの協賛のもと、古川さんにJAS製材(機械等級区分構造用製材)[※]の製材工場として知られる二宮木材さん(栃木県)に訪問していただき、その様子を動画にも収めています。
二宮木材さんは、質の高い八溝スギ[※2]の製材工場として知られ、品質が明確に表示されたJAS製材を生産するほか、化粧材の生産にも力を入れています。特に、木取りがほかの製材所と異なるなど、古川さんが“木への愛・森への愛”と評する二宮木材さんの製材手法を、ぜひご堪能ください。
※1 JAS規格(日本農林規格)に基づく構造材として用いられる製材の規格は、目視等級区分構造用製材(節・丸身などの欠点を目視により測定し、等級区分するもの)、機械等級区分構造用製材(ヤング係数を測定し、等級区分するもの)がある
※2 八溝スギとは、茨城県と栃木県、福島県にまたがる山系で産出されるスギ材。積雪量が少なく、気温・降雨の適度な地域であり、風水害も少ないことから、優良材として知られている