「最近、シェアハウスで生活している人が増えている」と感じている人は多いのではないでしょうか。シェアハウスとは、自分の個室以外のリビングやキッチン、お風呂やトイレなどの水廻りを共有する共同生活スタイルのこと。
近年、シェアハウスを舞台としたテレビ番組がヒットし「おしゃれな暮らし」というイメージが根付いたことで需要が増え、2013年から増加を続けており、現在では全国に約5,104棟あります。
全国のシェアハウス物件数の推移
住むメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
①家具・家電が用意されているので、引っ越しにかかる費用が安く済む
②光熱費が家賃に組み込まれている場合が多いため、生活費を安く抑えられる
➂仕事や学校以外のコミュニティを得られる
しかし、上記3点はすべてのシェアハウスに共通するため、これら以外の付加価値をユーザーが感じないと入居には至りません。そこで今は、「ペットと住めるシェアハウス」「楽器演奏ができるシェアハウス」「映画好きが集まるシェハウス」など、ユニークなコンセプトを掲げることで付加価値を与え、他の物件との差別化を図るケースが増えています。
デンマークで出会った豊かな暮らしをシェアハウスで。
西武鉄道池袋線の清瀬駅から徒歩7分程度の立地に登場したシェアハウス「HYGGE」(ヒュッゲ)は、その名前の意味のとおり「ほっとひと息つける豊かな暮らし」がコンセプトのシェアハウス。オーナーがデンマークを訪れたとき、デンマーク人の“家族や友人と過ごす心地よい時間や、暮らしを楽しむ独自のスタンス”に刺激を受けて、プロジェクトを考案するきっかけとなったそう。
シェアハウスというと何より「安い」という利点に着目されがちですが、今までのシェアハウスにはなかった上質な暮らしたのが他のシェアハウスと違う点です。オーナーは、従来のシェアハウスの概念を覆したHYGGEを、シェアハウスではなく、新しい造語である「コミュニティレジデンス」と名付けました。
上質な暮らしを叶えるために、内部の設計にはこだわりが光ります。
DETAIL : 清瀬駅 徒歩7分 男性・女性・外国人対応可 ¥55,000~ 全12室
事業主:株式会社フロンティアホーム
設計:古谷野裕一 + 森田悠紀
施工会社:株式会社古谷野工務店
個室にもきちんとトイレとシャワー
通常のシェアハウスでは共有することが多いトイレ・シャワー室・洗面室を、それぞれの個室に設置しています。 “本来、トイレやシャワー室は1人で使えたほうがよい”という考えのもとだそう。安いからといって我慢しないというスタンスを大事にしています。
また、各部屋にロフトもついており広さも十分。ストレスなく快適に過ごすことができます。
シェアメイトとのコミュニケーションが増える動線
シェアハウスで良い面にも悪い面にもなりがちなのが、シェアメイトとの距離感。」よい交友関係をつくるためには、共有スペースと個室の関係性が重要です。HYGGEでは、縦長の敷地の真ん中に個室が並び、それらを挟むように2カ所の共有スペースが設置されています。廊下ですべてのフロアがつながっており、さらに1階~2階をぐるりと回れる回遊動線としているので、自然とシェアメイトとのコミュニケーションが増えます。集まって住みながらも、「プライバシーの配慮」と「程よい距離感のコミュニケーション」が担保されています。
つい長居したくなる3カ所の共有スペース
北側の共有スペースは、吹抜けのあるダイニングキッチン。シンクと3口のIHヒーターを2セット完備されており、12人の居住者がいても混雑することなく使えます。足元はなんと床暖房付き。そこから階段を上がると中2階にワークスペースがあります。リモートワーク用としても、勉強用としても使えるスペースになっています。
もう一方の南側の共有スペースは、ライブラリーラウンジ。ライブラリーラウンジにはKindleが入ったタブレットが常設されているので、ここでゆったりと読書ができます。