第7回日本エコハウス大賞ノミネート10作品の動画公開

第7回日本エコハウス大賞のノミネート10作品のプレゼン動画をYouTubeに公開しました。どの作品にもキラリと光る見どころが満載です。家づくりのプロも、家づくり検討者も学べる内容です。ぜひご覧ください。

第7回日本エコハウス大賞の最終審査会「ジャパン・エコハウス・ビッグショー〈JEB〉2023」が、10月26日(木)14:00から行われます。


設計審査で選ばれた10作品(新築部門6作品、リノベーション部門2作品、自宅・モデルハウス部門2作品)の動画を紹介します。

工務店・設計事務所がそれぞれの作品の特徴やこだわった点を解説しています。どの作品がグランプリになってもおかしくない完成度です。

さらに、動画の最後には各審査員の講評コメントも! 審査員にその作品のどの部分を素晴らしいと思ったのか話してもらいました。

10月26日(木)の最終審査会の前にそれぞれの動画をチェックしておきましょう。

ノミネートNo.1「100年後の夏を見据えた家」創伸

■編集部の見どころ!
湿度が高く蒸し暑い地域である鳥取県に建つ戸建て住宅。木繊維断熱材を屋根に400㎜吹き込んでいるが、周辺の風景になじむようにコンパクトに設計されている。また、自社施工で拭き込みをすることで、工期を短縮とコスト削減を実現。
日射量が少ないといわれている鳥取だが、シミュレーションをしっかり行い太陽光発電を搭載している点も注目したい。
解体時の分別を考え、再利用できる素材選定を行い、住宅建築の今後に対しても配慮しており、地域の工務店として、責任感のある仕事をしている。

 

ノミネートNo.2「登梁大屋根のパッシブハウス」アイプラスアイ設計事務所+森大建地産

■編集部の見どころ!
三重県津市の住宅街に建つ戸建て住宅。環境のデザインとパッシブデザインを希望された。一方で、パッシブデザインのセオリーをそのまま採用すると、2階建ての横長で南面に大きな窓をもった形状となり、周辺環境になじまない。そこで、母屋と離れをV字型に配置。低い軒を連続させて、背が低く周囲に溶け込む形状を提案した。日射取得率の高い窓を採用するなどして、「パッシブハウスプラス」基準に適合。
この作品は、セオリーにそのまま従うのではなく、視覚的な心地よさをいかにデザインに落とし込むかということに挑戦している。

 

ノミネートNo.3「キウイ棚のある平屋」暮らしの工房

■編集部の見どころ!
新潟県の積雪地域に位置する小さな平屋である。南側の水田に向かって建物を開きつつ、一般的な樹脂窓を使いながら、納まりを工夫することで風景とつながる窓辺を実現。構造を整理して大きな空間をつくりながら、造作家具を丁寧に作りこみ多様な居場所をつくっている。
また、積雪地域だが太陽光パネル設置の設置を検討。太陽光パネルを載せて雪を落とす屋根と、雪を載せておく屋根の2つの形状を用いて、落雪対策をしている工夫も注目です。
農村集落の風景に合うコンパクトな高性能平屋であり、太陽光パネルの設置まで叶えたレベルの高い設計となっている。

 

ノミネートNo.4「h+BASE」hplus

■編集部の見どころ!
福井県の設計事務所のオフィス+シェアスペース+賃貸住宅を内包する複合施設である。車社会で人と人のつながりが薄くなっている地域において、つながりをどうデザインするかに注力している。
1階のオフィスとシェアスペースは開いて住居部分は閉じるといった用途に応じた段階的な省エネ設計を施している。それにより、それぞれの場所やシーンに適した使いやすく快適な空間をつくっている。また、土に還るまたはリサイクルできる素材のみを使用。気候風土にあった半規格住宅を目指すことで、コスト削減にも取り組んでいる。これからの設計事務所の生き方を示す作品であると評価された。

 

ノミネートNo.5「豊田の家」NIa

■編集部の見どころ!
愛知県の郊外、田畑風景が広がる地域に建つ離れをもつ平屋。日常の空間である母屋、非日常的に使われる離れ、人を向入れた目的に使える土間の3つの空間をコの字型に配置。3つの空間で中庭を囲うことで、周囲の視線を気にせず庭に開くことができている。また、通風や採光、日射取得など、自然エネルギーをうまく取り込めている。
この作品では、それぞれの空間に適した性能を担保しつつ、ベーシックな間取りの中には日本らしい佇まいが随所に現れている点が高く評価された。普遍的な日本の美しい住宅を 未来に残すためには、性能と意匠をしっかり両立することがいかに大切かを教えてくれる。

 

ノミネートNo.6「ふたつのコアによる開放的な平屋」福山建築

■編集部の見どころ!
鳥取県の環境豊かな山の中に建つ平屋である。緑豊かな環境を生かすため、南北に視線の抜ける平面計画を提案。耐震性を担保する2つのコアをつくることで、南北に開いた広いLDKを実現している。この単純で明快なプランは、将来のライフスタイルにも柔軟に対応できる。
また、とっとり健康省エネ住宅NE-ST「T-G2」を獲得。第1種換気と床下ファンを合わせた全館空調。基礎は立ち上がりを極力減らし、気流がスムーズに回るように配慮し、エアコン1台でまかなえている。日本海側にもかかわらず計算を行ったうえで太陽光パネルを搭載。高性能でコンパクトな本物件は、日本各地に普及してほしいモデルである。

 

ノミネートNo.7「tede」アッドスパイス+村上康史建築設計事務所

■編集部の見どころ!
京都市に建つ築63年の木造賃貸アパートをリノベーションした実例である。建物の性能を向上させ、長期的な収益を見込めるように計画した。光が入りにくく、無断熱、耐震性の不足、地盤の水はけが悪く床下の腐朽などの問題点を1つずつ丁寧にクリア。プランは、1階をワークスペース、2階を住戸とし、職住近接型の集合住宅に。グリーン住宅ポイント制度を活用し、太陽光パネルを設置。共用部やワークスペースの電力をまかなう。光や風の入るさわやか空間づくりをすることで、街の風景にも寄与する建物になっている。全国的に多い、木造賃貸に対する一つの解となることを期待している。

 

ノミネートNo.8「サクラサンダイのいえ」WASH建築設計室

■編集部の見どころ!
京都市に建つ木造住宅のリノベーションである。2棟のうち、再生不可能だった増築棟は解体し、築約60年離れを生かして増築を行った。高性能化だけでなく、パッシブ設計も取り入れ、冷房を使わない中間期を長く過ごせるように工夫。
母屋の解体では、瓦を下す作業を住まい手や設計者、学生などを巻き込み実施。体験をすることで、再活用の方法や意義を伝えた。さらに解体した母屋の部材は再利用。たとえば、構造材は薪に、土や石は外構に再利用している。また、改修棟と増築棟は長期優良住宅を取得している。手間はかかるが、地域の設計事務所だからこそできる丁寧な仕事ぶりが伝わる作品である。

 

ノミネートNo.9「岐阜西濃の家」WOODYYLIFE

■編集部の見どころ!
岐阜県に建つお手本となるような戸建て住宅の性能向上リノベーション。プランでは、減築をしながら採光と通風を考慮して庭とつながる暮らしを実現。そして、住宅医による診断を行い、性能向上をきちんと行っている。たとえば、無筋基礎には添え基礎をして耐震性をアップ、セルロースファイバーを充填しG2レベル、C値は1.1まで改善している。
また、事業者約110名を集め、同業他社や職人に現場の取り組みを紹介。リノベーションによる性能向上の快適性を住まい手に普及するだけでなく、技術継承を行うことで性能向上リノベーションを多角的に伝えている活動を高く評価された。

 

ノミネートNo.10「坂元植林の家[さとのえ]」ビオフォルム環境デザイン室

■編集部の見どころ!
宮城県の工務店が営む山の中に建つ環境調和型のモデルハウス。建物を閉じて高性能化するだけでなく、開いて建物の周辺環境のポテンシャルを生かす工夫をしている。元からある植生と植樹を調査し、冷涼な空気の取り込みや、日射遮蔽・照り返しを軽減させる工夫を設計に取り込んでいる。建物には多層空間を設け、こもると開くを両立。ペチカストーブや太陽光パネル、太陽熱温水器といった自然エネルギーを活用する設備を採用。昔からある技術と最新の技術を積み重ねることでこれからの暮らしのスタンダードを問いただすモデルハウスとなっている。

日本一に輝くのはどの作品!?最終審査委会はこちら 

https://korekara-maps.jp/15103/

 

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