全国各地で相次ぐエアコン室外機の盗難。室外機が置かれる場所は基本的に外からは目立たない場所が多く、そのような場所から家の中に侵入されることも考えられます。
今回は家を建てた後にできることと、これからの家づくりで役に立つ防犯対策を、全国の優秀な工務店が集う工務店編集会議のメンバーに聞いてみました。
家を建てた後にできる! コスパ重視の防犯対策
「室外機の盗難対策だけにコストをかけるのはもったいない!」ということで、不法侵入を防止する対策を紹介します。
2,000円代の防犯カメラを数台設置
工務店が口をそろえて提案するのが、お手頃価格の防犯カメラを数台設置すること。お勧めは2,000円代で手に入る「ATOM Cam (アトムカム)」。自宅や事務所の死角に数カ所設置している工務店も少なくありません。
アプリをダウンロードすれば、遠隔にいても現地の様子をチェックできるので便利。不審な動きを感知したときのアラート付きです。設置のポイントは、死角になる場所を含めて複数台の設置と、泥棒に「防犯カメラがあるぞ!」と分かるところに設置しておくことです。
死角に音が鳴る砂利を引く
泥棒が嫌うものの1つに「音」があります。カメラの設置だけだと不安な人や、機械を使うのが憚られる人は音で対策をしましょう。コスパ重視で考えるなら、「防犯砂利」がお勧め。砂利の音で防犯になるの!?と思われますが、目覚まし音の80bBの大きな音が出る建材もあります。
いろいろな素材やカラーがあるので、自分の家の外観デザインに合わせて選べるのも嬉しい。
他にもこんな防犯アイデアが!
■音が鳴る人感センサーを気になる場所に取り付ける(ダイシンビルド 清水一人さん)
■室外機に「GPS装着中」「監視中」などのステッカーを貼っておく(菊池組 菊池洋壽さん)
建てる前に一工夫! 家づくりと防犯対策
家づくりをこれからされる方へ。建てた後に後悔しない防犯対策をいくつか紹介します。
建物の配置を工夫しよう
そもそも死角ができないように建物の配置から考えて設計するのも1つの手です。ある程度ゆとりがある敷地であれば、隣家との距離や周辺環境を考慮した配置を意識しましょう。死角がなくなれば、自ずと泥棒は近づかなくなります。
もちろん、日当たりや通行人の視線など、建物を建てるにあたってさまざまな要素が含まれるので、設計者としっかり話して決めていきましょう。
室外機を2階ベランダに設置
室外機を地面に設置しない方法も考えられます。2階ベランダに設置すれば盗難リスクは限りなくゼロに近づくでしょう。ただし、狭いベランダに室外機を設置すると熱こもりが起き、エアコンの稼働効率が落ちるので注意が必要です。
ペアガラス&トリプルガラスは防犯対策にもなる
室外機の盗難防止にはなりませんが、窓からの侵入を防ぐ対策として、ペアガラス以上の窓を採用しましょう。ある工務店の方の自宅では、窓を割って入ろうとする泥棒被害に2回もあったそうですが、ペアガラスだったため割られずに済み、侵入を未然に防げたそうです。
窓の断熱性能もアップするので、室内環境も向上する一石二鳥の対策です。
ちなみに、窓ガラスを防犯のためにしっかり対策したい人は、「防災安全合わせガラス」を検討してみてください。サッシメーカーによってはオプションで選べます。
室外機は家財なので盗難保険が適用される
どんなに対策をしても盗難を完全に防げるとは限りません。不安な方は火災保険の見直しをしましょう。火災保険のなかには、盗難保険も含まれているものがあります。盗難されたときに、どのような保険が適応されるのか事前に調べておけば、万が一のときも安心です。
ちなみに、エアコン室外機は家財になるので盗難保険に入っていれば適応されることが多いそうです。
盗難や浸入などは起こってからではあとの祭り。日頃から防犯対策を行うことで、家族みんなが安心して過ごせる家にしておきましょう。
取材協力:工務店編集会議
テキスト:編集部