健康に配慮しながらシロアリの侵入を防止!
住宅のシロアリ対策には、薬剤の現場処理が一般的です。ただし、体質的に薬剤に敏感な人のなかには健康被害を心配する声もあり、近年増加している高気密高断熱住宅、空気循環型の住宅ではなおさら注意が必要。健康被害のリスクを最小限にし、シロアリの侵入を防ぐ方法が求められます。その1つとして、全世界で20万棟以上の採用実績を誇る「タームガード システム」(日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合)があります。オーストラリアで開発されたもので、建物の周囲に埋設したパイプに注入された薬剤が、外周からシロアリの侵入を阻止します。
床下に薬剤を散布する一般的な防蟻処理とは異なり、建物内部で薬剤処理しないので、建物内部への薬剤の環流の心配がなく、安全性も高くなっています。主な施工の流れと維持管理の考え方は以下のとおり。
A:新築時に建物基礎外周に沿って薬剤処理用の専用パイプを土中に埋設する
B:薬剤の注入口を設置(20mにつき最低1カ所)
C:薬剤を注入
D:専用パイプに20㎝間隔であけられた小孔から薬剤が土中に噴出し、建物外周の土中に薬剤のバリア層が形成される
E:5年ごとの薬剤再注入で、永続的に建物内へのシロアリ侵入を防ぐ
です。
使用される専用の薬剤「タケロックSC400」(大阪ガスケミカル)は、日本しろあり対策協会認定の薬剤であり、土壌に対する吸着性が高く流出の心配がないので、安全性が高いです。加えて、薬剤をパイプへ再注入すれば、その効果は永続、シロアリ保証も永続的にセットできます。ランニングコストという観点でもほかの防蟻処理方法に比べて大きな利点があり、長期優良住宅に求められる長期の維持管理にも最適です。
屋外での工事になるため、施工時の建築主負担が少なく、施工時間も短くなります。日本では2025年4月以降、すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられます。2030年にはZEH水準の義務化も検討されており、一般的な防蟻処理ができない住宅が増えると予想されます。「タームガード システム」ならば幅広い住宅仕様に保証適用が可能なため、これからのシロアリ対策として有効な選択肢となるでしょう。
取材協力:日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合